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ドラッカー名言録

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   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録33  
 「ハイテクは明日の担い手であり、今日の担い手ではない」

 これはかつてのドラッカーの発言である。
 今日、ヨーロッパにおいて、そして日本においても、イノベイションと企業家精神はハイテク産業だけの問題と見なされやすい。しかし、これほど危険な間違いはない。山麓抜きに富士山の山頂を考えるのに似ている。
 そして今日、ハイテク産業の多くがトーマス・エジソン風に(すなわち、いったん革新家としては成功するが、それに固執したがゆえに失敗するというように)誤って経営されていることを警告している。
 ハイテク産業の多くが、華々しい脚光、急激な成長、突然の失速、そして完全な崩壊という古典的パターン、すなわち、わずか五年のうちに「ぼろから錦へ、錦からぼろへ」という有為転変のパターンをたどる理由がここにあると、昨今のIT産業の興隆を見事に分析している。
 そして、アメリカを企業家経済たらしめたものは、経営管理という名の技術であって、個々の発明や科学的進歩ではない。さらに進んで、今日、まさにこの経営管理という技術がさらにアメリカを企業家社会に変えようとしているのであるとマネジメントの重要性を強調してやまない。
 日本のアントルプルヌール経済の今後の可能性についても、企業家経済が主としてアメリカのみの現象にとどまるか、他の先進工業国にもみられるようになるかは、いまだ明らかではないと、ドラッカーは若干慎重な発言をしている。
 そして日本では、日本的企業家経済という他国とは違った独特の形をとることになるかもしれないが、企業家経済への移行を予測すべき十分な理由があると述べている点が注目される。
 さらに 「大企業からはイノベイションは生まれない」と常識はいう。しかし、大企業はイノベイションをせず、また、できないという見方は、半面の真理ですらない、全くの誤解であると、イノベイションと企業規模の大小とは関係ないことを力説する。
 そしてもう一度、人間をレールム・ノバルム・クピドゥス(新しいものを貪欲に求める存在)と呼んだのはローマの詩人であったこと、そして企業家的経営管理とは、一人ひとりの経営管理者をレールム・ノバルム・クピドゥスにするものでなければならないと述べて、新しさの追求がハイテクやイノベイションのベースにあることを明らかにしている。
 ドラッカーの考えによると、企業家(アントルプルヌール)とは、定義的にいえば、生産性が低く成果の乏しい分野から、生産性が高く成果の大きな分野に資源を動かす者のことであるとする。
 そして、企業家という存在は個人的な性格とは関係がない、実際のところ、私は過去二〇年間において、すべての企業家に共通する企業家的性格というものに出会っていない、と断じる。逆に、実にいろいろな性格の人たちが、企業家的な挑戦に見事に対応しているのをみてきたという。
 そして企業家は変化を健全かつ当然のこととみる。企業家自らが変化を引き起こすとは限らない。
むしろ企業家が変化を起こすほうがまれである。しかし企業家とは、変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する者であるという鋭い洞察を行なっている。

   

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