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ドラッカー名言録

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   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録51

「市場に関する報告書など信頼してはいけない。マーケットはトップ自身の目と足で確かめよ」

ドラッカーは、市場の実態については、市場に関する報告書などを信頼してはいけないとまで極言する。
市場はトップ自身が自らの目と足で確かめない限り、真に理解しうるものではないと断言する。
もちろん、企業により、またトップの性質や性格によって異なってはくるが、いつも自分が現実の市場にさらされている(エクスポーズしている)こと、触れていることが肝心である。
その際に、自社の製品やサービスが売れているかとか、儲かっているかとかいうのではなくて、顧客や市場がその心を開いてトップに語りかけてくれるものに焦点を絞って話を聞くべきであるとドラッカーは言う。
だからこそドラッカーは、かつて某百貨店のコンサルティングを頼まれた際に、重役室の中に閉じこもって話を聞くことだけに終始せず、自ら売り場に3日間売り子″として立ったのである。そこから得た生の情報は既存のマーケット・リポートなどよりも、ずっと多くのことを教えてくれたと語ってくれた。
その時には、やや古い話だがと前置きして、ある大手の靴会社の2人が若くしてトップの地位についたときの事例も話してくれた。
その2人は、必ず土曜日の午後はショッピング・センターに出かけて、3、4時間、モール内を視察する。
しかし、ここで大事なのは、モール内の靴屋の中でその時間を過ごしたのではなくて、モール内の客の行動をつぶさに観察していた点であると。
ある土曜日に、ドラッカーも混んでいるショッピング・センターに連れていってもらったが、靴店だけは足を運ばなかった。そこでなぜかと聞くと、自分はかつて小さな店のアシスタント・マネジャーとしてキャリアをスタートさせたので、どうしても「昔のさが」が出てしまって、靴を元の棚に戻すとか、靴の出入れに目が行ってしまって、顧客に目を注ぐことが疎かになってしまう。従って、心して靴店の中には足を踏み入れないようにしているという答えが返ってきた。
そして、その後、この2人は、企業として転換点に立っていたチェーンが、新しい方向を切ってからは、モール内でそれほどの時間は費やさなくはなったが、それでも目的を持って市場を見ることを怠らなかったと語っているという。
これはニッサンを起死回生させたゴーンが、トップに就任早々にまずやったことは、自分の自動車をテストドライブしたこと。これだけでも会社としては初めてのことであったが、偉いのは(そして当たり前のことなのだが)自社の車だけでなくて、日本で販売されている他社も含めて全車種に乗って自らハンドルを握ったことである。まさに、目と足で市場を確かめた好例だ。

 

   

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