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   ●ドラッカー名言録

ドラッカー名言録82

「利益が出るのは正常の状態ではない」

利益(プロフィット)とは人間の努力によって生まれ、損失(ロス)という正常な状態を覆すことから生ずる。物事がすべて純粋な確率(プロバビリティ)に基づいて進行するとすれば、正常な状態とは損失である。すなわち、利益とは発生しないはすである。こうした正常の確率を逆転させる仕事こそ、経営者やマネジャーの任務なのである。
すなわち、マネジャーの本来的な責任とは、潤沢でない貴重な資源である人間や資材を受託し、これによって利益を社会のために生み出すという重要な責任を託されているのだと考えるべきであるとドラッカーは説くのだ。
これは、今さら言わなくてもいい基本的なことなのであるが、こうしたファンダメンタルなことを知らない人が驚くほど多いのに私はびっくりするとドラッカーは言う。そして、中でもこれを十分に理解できないのが政府の役人だと皮肉る。こんなことが理解できない理由は、政府および官僚という秀才たちは、資金を調達するのに何らの困難を感じた経験がないからだと、さらにドラッカーは厳しく語る。
こうした安易な資金調達方法に慣れてしまうと、正常な社会では、放っておけば損失が生まれるのがごくノーマルなプロセスであり、利益はそう安々と安易なやり方では生まれてこないという考え方が、なかなかのみ込めない。正常な状態は金が出る状態であって、入ってくるのではない、と考えることができにくくなるのである。
さらにここでもう1つ言わなければならないこととしてドラッカーは、マネージャーがする仕事、すなわち経済的な利益を生む仕事というのは、かつては主として個人が担当していたのだが、だんだん個人の参加の範囲が狭められてきて、むしろ1つの企業体という組織活動になってきている点に論及する。
それに対応するためには、いろいろな規定を設けなければいけないし、十分なメカニズムを整えて目的に向かっていかないと、万事がうまくいかない。
このように、かつての個人責任の時代とは大きく様変わりしているので、そうおいそれと利益は生み出されてこない。
したがって、確実性の高いやり方で利益を生むのが、ますます困難な時代が到来していると、ドラッカーは指摘するのである。


 

   

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